300 スリーハンドレッド

スパルタの国では、弱い者は生きることが許されない。服従、退却、降伏、いづれも無い。男たちはこうして育てられてきたのだ。紀元前480年。スパルタ王レオニダスのもとへ、ペルシア帝国からの遣いがやって来た。国を滅ぼされたくなければ、ペルシアの大王クセルクセスに土地と水を差し出し、服従の証を立てろと言うのだ。この大帝国の次の標的は、スパルタのあるギリシャ地域。レオニダスは司祭のもとを訪れ、神々に開戦の許しを乞う。だが、欲と妄執にとらわれた司祭たちは、お告げであるとしてスパルタ軍の出兵を禁じた。しかし、戦わなければ滅ぼされる。王妃ゴルゴはレオニダス王に、「自分の心に従いなさい」と毅然と言い放つ。戦いを決意した王のもとに集まったのは、精鋭300人。敵を海岸線の狭い山道に誘い込み、スパルタの盾で食いとめるという戦略があった。海岸線を延々と埋め尽くすペルシアの大軍が現れた。スパルタの男たちはひるむどころか、解き放たれる瞬間を待ちうけていた。男たちに退却の二文字はない。鍛え抜かれた剣のもと縦横無尽に突き進む。緒戦はスパルタ軍にひとりの死者もなし。100万人対300人の戦い。スパルタ軍の勝利で第一日目を終えたが……。